出版大手のSimon & Schusterが、KKRというプライベートエクイティ大手に現金16億ドル(約127億ポンド)で売却されることになった。これにより、Paramount Globalのオーナーである同社は、2020年以来、出版会社の買い手を探していた長いサーガの終焉を迎えることになる。競争上の懸念から以前の2億ドル以上と評価されていた取引は頓挫していた。KKRは、Simon & Schusterが独立して運営され続けると述べている。1924年にアメリカで設立されたSimon & Schusterは、グローバルに1,600人以上の従業員を抱えている。初の出版物はクロスワードパズルで満たされていた。その後発売されたタイトルには、Dale Carnegieの「人を動かす」、Joseph Hellerの軍事風刺小説「キャッチ22」、Stephen Kingのベストセラーミステリーなどが含まれている。Overdriveというデジタルブックプラットフォームを投資先として持つKKRは、同社の配布を「様々なメディアと市場に拡大する機会」があるとみている。また、同社は従業員に所有文化の創出を支援するための株式配布計画も策定すると述べている。Simon & Schusterは、アメリカの「ビッグ5」出版社の4番目に大きい。他の出版社にはハーパーコリンズ、ハシェット・ブック・グループUSA、ペンギン・ランダムハウス、マクミラン・パブリッシャーズが含まれる。昨年末には、Simon & Schusterを22億ドルでペンギン・ランダムハウスに売却するための暫定的な合意が規制上の懸念から阻まれた。アメリカの裁判官は、提案された合併が作家の報酬や機会を減少させると主張し、アメリカ政府の立場を支持した。スティーブン・キング氏もアメリカ政府を代表して売却に反対する証言を行った。ジョー・バイデン大統領の下で競争政策により厳しい姿勢を取るアメリカ政府による阻止だった。しかし、Paramount Globalの社長であるボブ・バキッシュは声明で、Simon & Schusterの売却によって得られる資金はエンターテイメント会社に大きな「財務上の柔軟性」をもたらすと述べた。また、ディズニーやNetflixなどからの競争が収まらない中で、ストリーミングサービスParamount+のコンテンツに利用可能な現金を増やすことになる。月曜日に発表されたParamountの売上高は、6月30日までの3か月間で762億ドルに減少し、前年同期の780億ドルに比べて下落した。テレビネットワークの広告売上が10%減少し、昨年の「トップガン マーヴェリック」ほどの成功作を生み出せなかったため、全体的な損失も報告されている。
Simon & Schuster: 出版社が16億ドルで売却へ
